地球温暖化防止などの観点から、再生可能エネルギーを利用した発電方法の導入が推進されています。
日本だけに限らず、世界中でこのような動きがありますが、その中でも洋上風力発電という発電方法に注目が集まっていることを知っておくと良いです。
他の方法と比較したときにメリットが多く感じられるので、これの基本的な特徴から導入することの魅力を理解しておきましょう。
目次
洋上風力発電のタイプ
洋上風力発電は海の上で発電を行えるものであり、着床式か浮体式が採用されることになります。
初めに開発された着床式は、海底に構造物を埋め込むことで固定するという方法であり、浅い場所での導入に適している方法です。
けれども、水深50m以上の場合は着床式を採用することが難しく、浮体式が開発されました。
浮体式は船舶などの浮体物を利用する方法であり、着床式のように構造物を海底に埋め込む必要がないです。
その代わりに海底に固定したアンカーを利用することになります。
浅い場所での設置を実現しやすいヨーロッパ圏では着床式が選ばれることが多いですが、設置場所の水深が深くなりがちな日本では浮体式を導入しようとする動きが強いです。
地球温暖化の防止に大きく貢献することができる
海の上で発電する洋上風力発電を利用するのであれば、地球温暖化の防止に大きく貢献することができます。
地球温暖化の原因には二酸化炭素排出量の多さをあげることができますが、風を利用する発電方法では二酸化炭素を生み出すことがないです。
火力発電のように二酸化炭素が生じないので、とてもクリーンな発電方法と言えるでしょう。
大規模な設備を設けるのであれば火力発電に取って代わることができるほどの電力量を期待することができ、火力発電に頼る割合を減らしていくことに成功すれば、高い地球温暖化防止効果が期待できます。
発電量の多さを期待できる
発電量の多さを期待できることも魅力的な部分です。
他の再生可能エネルギーによる発電は、変換効率が良くないものもあります。
10%から20%ほどになることが多いですが、風力による発電では20%から40%の変換効率が期待できるでしょう。
水力発電は80%という高い変換効率を誇っているものの、たくさん設置することが難しいとされています。
海上に設置できる洋上風力発電であれば、太陽光発電や地熱発電などよりも変換率が高いですし、たくさん設置することで水力発電に負けない発電量を期待することも可能です。
国土面積が狭い国でも取り入れやすい
この発電方法は国土面積が狭い国でも取り入れやすいと言えます。
日本やヨーロッパは国土面積の狭さから、様々な再生可能エネルギーによる発電方法が取り入れづらいという問題を抱えていることを知っておくと良いです。
広大な国土面積のある国と違って、思うように発電量が確保できないという問題が起こります。
海洋に設置するのであれば国土面積が狭くても設置できる場所を確保しやすく、陸地を発電のために多く利用する必要がなくなるはずです。
日本の場合は世界6位の排他的経済水域を有しているので、設置できる場所が広くてたくさんの設置が期待できます。
近隣住民とトラブルにならない
近隣住民とトラブルにならないことも魅力的なポイントです。
原子力発電所は、事故が起こったときのリスクから稼働を停止する運動が起こることも多いと言えます。
陸地の風力発電であれば、事故のリスクが低いのでトラブルが起こらないと思うかもしれませんが、こちらは騒音トラブルを引き起こすことが少なくないです。
騒音にならないレベルの音であり、基準値を満たしていたとしても、クレームが出てしまう可能性は十分にあります。
定められた基準を上回っていなければ発電会社が対処をする必要はないですが、トラブルを理由に会社の評判が悪くなったり、近隣住民との関係が悪くなったりする可能性は否定できません。
周りに住んでいる人がいない海洋上での設置であれば、トラブルが起こらないので安心だと言えます。
化石燃料の消費スピードが遅くなる可能性が高い
化石燃料の消費スピードが遅くなる可能性が高いことも、1つのメリットだと言えるでしょう。
火力発電所ではたくさんの化石燃料を使用することになりますが、これを使い続けるといずれ枯渇するときがやってきます。
洋上風力発電が増えて火力発電を減らすことができれば化石燃料の使用量が減り、有限資源の消費スピードを緩めることができるはずです。
化石燃料は発電以外にも利用されていますが、消費スピードが遅くなれば現在発表されている目安期間よりも長く使用できるようになるでしょう。
まとめ
世界的に注目されている洋上風力発電を利用することには、数多くのメリットがあります。
地球温暖化防止に役立つだけでなく、再生可能エネルギーによる他の発電方法の欠点を補うことができることも魅力的です。
日本でも世界でも研究開発や実証実験に尽力している企業や研究者が多く、今後はますます注目されることになるでしょう。
エネルギー問題は誰にでも関係があることなので、注目されているこの発電方法に対する理解を深めておくことがおすすめだと言えます。
関連サイト・・・Influx 洋上風力
最終更新日 2025年6月10日