1.医療広告ガイドラインについて
医療広告は人間の生命や健康に関わる非常に重要な情報広告宣伝する内容であるため、過剰な広告や虚偽の広告等は厳しく法律で禁止されています。
その内容については医療広告ガイドラインにおいて厳格に定められていますが、その中でも2018年度に改定された新のガイドラインでは従来に比べて様々な点が変更されており、現代の医療広告の実態に即した内容となっているため、医療広告を行う場合には充分にその内容を理解し、ガイドラインを遵守するように努めなければなりません。
2018年度版の医療広告ガイドラインで最も大きなポイントとなるのは、ホームページも医療広告の1つとして定義されるようになったことです。
これまでホームページは医療の広告塔は認められておらず、そのために比較的自由な記載をすることができるようになっていました。
特に様々な医師の資格やその経験等は法律で認められているものとそうでないものとが混在し記載されていることも多かったのですが、新たなガイドラインではホームページも医療広告の1つとしてみなされるようになりガイドラインの対象となったため、その記載についても正式に法律で認められている資格や経歴等に限って掲載が許されるようになり、その内容に関して十分に注意をすることが必要となったのです。
2.厚生労働省等が認可したものであるかを判断することが非常に難しい
特にに最近では様々な医療施設が開業しており、独自のいろいろな資格を設定しこれをホームページに載せている施設も非常に増えています。
しかし一般の人にはその資格が公的に認められ厚生労働省等が認可したものであるかを判断することが非常に難しく、中には施設が独自に設定している資格であることも少なくありません。
しかし施設が独自に認定する資格の場合には他と比較してその資格のレベルがどのようなものなのかを客観的に判断することができない上、実際の施術における効果も明確でないことから非常に信憑性の低いものとして考えられてしまう面が多いのです。
一般的な広告ではこれらの資格を記載することが禁止されていましたが、ホームページで自社の情報として開示することについてはこれまでガイドラインは特に規制をしてはおらず、比較的自由に記載することが認められていた面がありました。
2018年度版ではこれらの記載はホームページであっても患者の誤解を招く危険があるとして記載を認めないように制定されることになったのです。
さらに新たな医療広告ガイドラインでは様々なイラスト等に関しても一定の基準を設けている点が特徴となっています。
従来から医療行為において改善されるイメージを強く与えるイラストなどは禁止されていましたが、2018年度版では体調の悪い患者が通院することによりその体調を回復すると認められるようなイラストはこの記載を禁止されることになっています。
3.2018年度版の改定でどのように変わったか?
これはその医療機関に通院すると必ず病状が回復すると言うイメージを与え、万が一回復をすることができなかった場合に様々なトラブルを生み出す原因となることや、必ず体調が回復すると言う印象を与えてしまうことから過剰な広告宣伝として考えられるため、ホームページでもこのイラストを使用する事は禁止されているのです。
従来から様々な広告宣伝に関してもこれらのイラストを期待する事は必ず病状が回復すると言う誇大広告につながるとしてその利用が控えられていた頃がありました。
今回の改定版ではこれらを明示的に記載を禁止することが定義され、これに違反すると様々な罰則を与えられる危険もあるため注意をしなければなりません。
その他にも新たな医療広告ガイドラインでは医療に従事する職員の研修内容等に関し実際と異なる表記があった場合にはこれを厳しく処罰することが定められています。
正直に情報を提供することと、法律を熟知しこれらに従った表記を正確に行うことが医療機関に求められているのです。
最終更新日 2025年6月10日